卒業できない高校!?

一昨日テレビを見ていたら単位不足のために卒業できないかもしれない学校がある、という報道があって驚いたが、昨日、今日になったらさらにそういう学校が出てきているという。このままでは卒業できない生徒は36,000人以上にも及ぶという。

ゆとり教育のために授業時間が少なくなったことに加えて進学実績を伸ばすために受験に必要な科目だけを勉強するためらしいが、卒業するためには50分の補修を70回、中には350回も受けなければならないという。これから受験の追い込みという時期におおよそ現実離れした話だ。

学校によっては実際は履修していないのに履修したことにして卒業させていた所もあるという。たまたま今年度分かっただけで、もう何年も前から現場では暗黙の了解のことだったに違いない。教師達にしたら限られた時間、中高一貫教育の私立に対して進学実績を上げるというかなりキツイ条件の下に講じた苦肉の策なのだろうが、バレなければ何をしてもいい、という姿勢を教師達から感じてしまい、何だか正直者が馬鹿を見るような感じがしてしまう。

一番被害をこうむっているのは生徒たち自身だろう。卒業できるか分からないという不安を抱えて受験勉強をするのはかなりのストレスだし、補修に多くの時間を取られる事は大変だと思う。大丈夫だ、と説明していた学校側の姿勢にも不信感を抱いているだろう。

私が通っていた高校は理系でも3年生まで日本史や漢文の授業があったし、文系でも最低週に2時間は数学を履修しなければならなかった。理科も物理、化学、生物をやった。内職をしていた人もいたが、大多数の生徒はそういうカリキュラムである高校を自分で選んだのだから、と淡々と受け止めていた。進学実績はほぼ100%4年制大学へ進学していたが、浪人も多くて友人達と「6・3・3・1・4制だよね」と冗談を飛ばしていたものだ。

でも大学へ進学したり社会に出てみていかに自分が通っていた高校のカリキュラムが幅広く、多くのことを先生たちから教わっていたかを分かった。それと同時に自主自律の校風のおかげで初めて「学校って楽しい」という気持ちになれたのは振り返ってみると貴重な時間だったと思う。

ただこれだけ必修教科を教えていない高校(今日の時点で194校)があるとなると、教育指導要領も果たして現実的なものなのかと疑問に感じてしまう。またペーパーテストだけでほとんどの合否を決めてしまう現在の大学入試制度もその人の実力や適正をどの位評価できているのだろうか。

高校という教育機関が果たす役割は受験勉強だけではないはずだし、大学という専門の勉強をする前にそのきっかけとなる出会いがある場所になって欲しいと私は考えている。いい方向に解決してくれたら、と切に願う。

| | コメント (0)